蒼衣鈴あらすじ5

○衣鈴(5/ラスト)
それから数日間。洋はできるかぎり千波と一緒にいるようにしていた。衣鈴がデートや夕食に誘ってくるが、それが千波から逃げるための行動だと気付いていた洋はそれを全て断り、逆に千波と会うように促す。そのため衣鈴は「洋の大切な妹である千波を傷つけたから、嫌われた」と思い込む。既に千波に責任が無いことを理解していた衣鈴は、千波に謝りたくても、長い間友達を拒否し続けたため謝り方が分からなくなっていた。

10月20日の午前4時。千波の部屋での作業中に寝てしまった洋と千波。目を覚ました洋は、レンと名乗る大きな鎌を持つ小柄な少女に声をかけられる。大きな鎌や大人ぶった態度など、メアとの共通点を感じた洋。レンは「名前も記憶も無い私たちは『約束』を求める。約束に従い、私は千波を見守る。」「私はダメ人間フェチ。」「千波の答案に細工して赤点を回避したりもした。」「娘星の子には弟がいるけど、彼女も忘れているはず。」などと言い、さらに「これは夢ですから」と言って去る。

その日の夕、洋は準備が終わり、星見のため衣鈴をヒバリ校屋上に呼び出した。洋を失い傷つくことを恐れ怯える衣鈴を、鈴葉が説得して連れて行く。屋上で千波は衣鈴に、星見のための望遠鏡として、夜を徹して修復した衣鈴の想い出の望遠鏡を渡し、レンズだけは修復できなかったことを衣鈴に謝る。「悪いのは私なのに、何でそこまでするのか」と聞く衣鈴に、当たり前のようにはっきりと「友達だから」と答える千波。衣鈴は千波が友達でいてくれたことに感謝し、泣きながら二人で抱き合う。そして千波は衣鈴と洋の仲を祝福し、いつまでも見守ると告げた。

雲雀ヶ崎の夜空が好きになった衣鈴は、「そのままでも夜空が見えるからレンズはいらない」と言う。部で買ったキャリングケースも受け取ることにした、屋上の鍵はヒバリ校に返し、天クルの屋上常時開放に向けて役立てて貰うことにする。

そして一年後の冬休み、約束通り洋と衣鈴はオーストラリアの星空の下にいた。そこで二人は一緒にいる幸せを感じていたのだった。